県内宿泊プランで過ごした年末年始
「ホテル マハイナ ウェルネスリゾート オキナワ」のお正月プラン
その1--大みそか編


 沖縄に移住して4度目の年末を迎え、 今回はどうしようかと考えた。去年の正月休みは 北海道を旅行したのだが、いま思えば「休みは 旅行しなければ……」という焦りのようなものがあった。 「北海道」は良かったけれど、自分の行動としては 少々無駄だったような気がする。

 不思議なもので、観光気分で生活するために わざわざ「観光地」へ越してきたのに、 住み慣れてくるとまとまった休みには沖縄の外へ 出たくなったりするのだ。

 しかし、今回は思いとどまった。やはり、 「地元」にとことん目を向けようと思った。 そして、大みそかから元旦にかけての宿泊にしぼって 県民プランの情報を探した。

 最初は、わりと早い段階で某宿泊施設の1泊2食付 1万4500円(1人)のプランを押さえた。

 当然ながら12月31日から1泊となると、どこの宿泊施設も料金はババーンと跳 ね上がる。1泊2万〜3万円は当たり前で、 食事が付いていないプランもある。しかし、あくまで「格安」を前提に毎度県民 プランを利用している身としては、たとえピーク時 でも料金だけはゆずれない。というわけで、 このプランは私が比較検討した中ではかなり安い方だった。

 ところが、12月も半ばにさしかかった頃、 さらに安いプランが登場した。

 それが「ホテル マハイナ ウェルネスリゾート オキナワ」(以下マハイ ナ)のお正月プランだ。1泊2食付1万1800円(1人)である。3人以上で利用する と1人9800円になる。 朝・夕食はバイキングで、年越しそばの振る舞いやもちつき大会、ビンゴ大会と いったスペシャルイベントもある。申し訳ないが、最初に予約した宿泊施設より も魅力的だ。 そこで急遽最初の予約の解消とマハイナへの予約をした。 こうして大みそかは本部町のマハイナへと向かった。

 マハイナは海洋博公園の目の前にある。 実は、マハイナに来るのはこれで3度目だ。 最初はおととしの夏だ。「リニューアル・モニターキャンペーン」の 宿泊プランを利用してすっかり気に入った。 2度目は「メゾネット・スイートルームプラン」を利用した。 格安料金でスイートルームに宿泊でき、 フルコースディナーやワインのサービスで少し贅沢な 週末を過ごした。

 というわけで、今回あっさり予定を変更したのは、 プランの内容が良かったことが確かなうえ、 すでに勝手知ったるリゾートなので「ここなら大丈夫」という 安心感があったからだ。

 さて、本来なら「一日中ゆったりくつろぎたい」ところだが、 このお正月プランは意外と忙しい。チェックイン時に イベント案内を渡された。大みそかは午後5時から もちつき大会、同9時から年越しそばの振る舞い(もちろん無料)、同10時から お笑いショー、同11時からカウントダウンビンゴ大会となっている。夕食バイキ ングもあるから大変だ。 チェックインにかなり時間がかかるほど宿泊客が多い。 早め早めに行動した方が良さそうだ。

 もちつき大会にさっそく参加する。 すでにもち目当ての人が大勢集まっているが、 もちはなかなかつき上がらない。子供からお年寄りまで次々と 名乗りをあげ、もちをつく。ようやく石臼からおいしそうなもちが 取り出されたが、この行列にはとうてい行き渡りそうにない。

 案の定もちは全然足りず、2度目のもちつきが始まった。 スタッフはかなりあせっているようだ。 私は2度目につき上がったもちをあんこときな粉でいただいた。 つきたてはツルンとしていてさすがに軟らかい。 しかし、まだまだもちにありつけない人々の行列が続いている。 人数は予想できていたはずなのだから、 配るためのもちだけでも先に用意しておけばいいのになぁと 思った。

 午後6時を過ぎてももちつき大会は続いている。 とりあえず我々はもちを食べることができたので、 そのまま夕食バイキングのレストランへ向かった。

 すでに人がごったがえしている。 席を確保するのも一苦労だ。沖縄料理から寿司、中華、 おせち料理までメニューは多彩だが、何しろ混んでいる。 食事を味わうというよりも取りに行くだけで疲れるという 感じだ。
 夕食を終え、しばし部屋でくつろぐ。 何年ぶりかで紅白歌合戦を見る。

 午後10時になると中庭で「トゥルルンテン」という お笑い民謡バンドのショーが始まり、 威勢のいい太鼓の音や歌が聞こえてきた。 もうちょっと紅白を見てからと思い、 同11時からのビンゴ大会に合わせて中庭へ出た。 最初は「夜なのに外でやるの?」と寒さを心配したが、 まったく寒くない。外の空気が心地良いくらいだ。 さすが沖縄の大みそかだ。

 年越しそばの振る舞いがまだ続いている。 そばを食べながらビンゴ大会に参加した。 舞台横には驚くほど多くの賞品が用意されている。 しかも結構豪華賞品である。次々と数字が発表され、 時間が経つにつれてどんどん「ビンゴ!」の声が かかり、賞品が渡されてゆく。しかし、 相変わらず私は当たらない。これだけの賞品が あるのだから絶対当たるはず! と思っていたのに、 とうとう最後までビンゴにはならなかった。

 連れは最後の最後でビンゴになったが、 同時に20〜30人が当たっていた。最後の賞品はテレビで、 人数があまりにも多かったためジャンケンの勝ち抜き戦となっ た。ジャンケンには負けてしまい、それでも福袋はもらえた。 しかし、スタッフの予想以上の人数だったようで、 福袋が足りない。結局その場でもらえなかった人は チェックアウト時に渡されることになった。

 しかし、もちつき同様に準備不足という気がする。 ビンゴの進行がもたついていたのも気になった。 だいたい、最後の賞品が1等賞のテレビというのはどうかと思う。ビンゴという のはどんどん当たる確率が高くなっていくのだから、早い段階で、それこそ1番 にビンゴになった人が1等賞を もらうべきではないだろうか? ……別に何も当たらなかった 者のヒガミってわけじゃないけれど……。

 ロビーでは福引抽選会というのもやっている。 チェックイン時に渡された抽選券で1回福引きができた。 こちらはE賞というのが当たった。中身は、 申し訳ないけれど多分着ないであろうTシャツだ。

 そうこうしているうちに、「トゥルルンテン」の沖縄民謡を 聴きながらカウントダウンが始まる。 巨大クラッカーの音とともに2001年が終わり、 2002年がやってきた。

 鏡割りが行われた。年男と年女が鏡割りに参加できる ということで、舞台から呼び掛けられた途端、 次々と午年の人々が現れ(ほんとにみんな午年なの!?)、 正真正銘の午年である私(しかも60年に一回の丙午なんだぞ! って自慢にもな らないが)は結局限定8人の中に入れなかった。 まったく、ほんとにビンゴにも当たらないし! と、 年明け早々気分を害しながら振る舞い酒を飲んだ。 (沖縄王・伊藤珠央)

その2--元旦編に続く






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