仲松千夏(なかまつ・ちなつ)さん

 魅力あふれる南国的顔立ちである。顔立ちだけで 推測すると、猫のような妖艶さがあるように見えるかもしれない。しかし、話し てみると、カラリサッパリとしている。 また、行動の早さには目を見張った。 写真撮影する際に「近くに沖縄らしい場所があると いいんだけどね」と何気なく言ったところ、 「さとうきび畑がある」とすぐに車で 案内してくれたばかりか、 「瓦屋根の家もある」とこれまたすぐに運んでくれた。 頭の回転が速いうえ、行動力がある。

 比嘉製茶の社員である。北海道から沖縄まで、 物産展には必ずといっていいほど行く。 多い時の県外出張は月3回にのぼる。 朝から夜まで仕事に追われるので、 県外に行っても観光する機会は少ない。ただ、6月に 出かけた北海道は印象に残っている。「函館山からの、 あんなにきれいな夜景は初めて」だったからだ。

 物産展とはいえ、無理な売り方はしない。 「お客さんと普通に世間話を しているうちに気が合い、買ってくれる」というワザを持つ。 お客さんから「沖縄の子はいいねー」と 褒められることがある。もちろんここでの「沖縄の子」は 千夏さんを指す。誰に対してもざっくばらんに対応できる点が 好評を博するのだろう。

 もの怖じしない性格は、大家族の中で養われた可能性が 高い。私がそう睨んだ通りだった。 自宅のすぐ近くに祖父母が暮らしており、 日曜には畑を手伝ったり、一緒に遊びに出かけたり しているのだ。5人きょうだい。自宅には父母と兄、兄嫁、 その子供4人、弟の計10人暮らし。少し前までは姉と双子の子供がいたから、そ の時は13人家族だった。 この仲松家はまとまって動くことが多い。この大家族が 性格形成に大きな影響を与えたのは間違いない。

 歌が好き。「19の春」や「安里屋ユンタ」、「花」、 「涙そうそう」といった沖縄の歌からドリカム、 ジュディマディなどまで、気に入った歌は何でも歌う。 カラオケでは高橋真梨子の「ごめんね」と ネーネーズの「黄金の花」を必ず歌う。この2曲は 別格なのだ。「歌詞がいいんです」

 10年後の夢を聞いた。「もっとしっかりした人に なりたい。そして、幸せに結婚しているのが夢。子供が 好きなんです」。「(男性の)顔は関係ないです。 私を大切にしてくれる人がいいな。ネチネチしている人 や仕事をダラダラする人は嫌い。オレについてこいという 感じの人がいい」。全国の男性諸君、分かったかな。

 愛車プレジデントで、夜の11時ごろに 名護まで車を疾走させることがある。仕事も遊びも 全力疾走がよく似合う。(沖縄王・西野浩史)

中城村出身。21歳






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