外間のぞみ(ほかま・のぞみ)さん

 「分娩するところを今日見てきたよー。もう超感動したよ!」と 興奮して話してくる。彼女は看護の専門学校の3年で、 病院で実習している最中。そう、看護婦の卵なのだ。

 将来に向けて一生懸命に実習をこなしている彼女が小学5年の時、 テレビのドキュメンタリーで看護婦の仕事が放送されていて、 「将来は看護婦になりたい」と思ったのがきっかけだ。 今までこの夢をあきらめなかったのは、看護婦という職業が 総合的に見て魅力的な職業だったからだろう。

 実習中は楽しいことやうれしいこと、辛いことなど色々なことが 起こるので、疲れて帰宅する。しかし、帰ってからも 勉強しなければならないことが多いので、睡眠時間を削るしかない。学ぶことが多い実習中に受け持った患者さんは、個性派が多い。

 「のぞが受け持っていたおじぃは、いつも 偉そうなんだよ! 爪切れって命令するんだよ」「おばぁと一緒に 歌も歌ってきたよ」と楽しそうだ。はきはきしている彼女は、 たまには患者さんともけんかをすることもある。でも、 それはその患者さんとも仲がいいからできることなのだ。

 そんな彼女の将来の夢は看護婦だけではない。 「看護の知識を利用して、若いうちに日本から離れ、 海外青年協力隊員として医療があまり発達していない 発展途上国で働きたい」と言う。 「自分の子どもに、お母さんが看護しているところを見せたい」と 思っている。

 もう一つの夢は、子どもに野球をやらせることだ。 「将来、子どもに甲子園を連れて行ってもらう!」と言うほど 大の高校野球好きなのだ。 高校球児を見ると、目で追ってしまうくらい好きなのは、 高校時代に野球部でマネージャーをし、 部員と一緒に甲子園にあこがれていたからだ。

 看護婦に、海外青年協力隊に、そして子どもの甲子園出場にと、 夢をいっぱい持つ彼女は、人生を豊かに過ごす達人と言ってもいいだろう。

沖縄看護専門学校3年
1980年生まれ。名護市出身
 





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