キャンプ・キンザーで食べ放題昼食150分勝負

 「キャンプ・キンザーで食べ放題の昼食があるんだけど、 行かない? 1500円くらいするけど」とビーンさんに誘われた。 私の答えは簡単である。「行く」。

 と書くと、「米軍基地の便宜供与を受ける気か」 「基地内で食べるということは、 米軍基地を認めることにつながる」などなどの“攻撃”を 受けそうな気がしないではない。こういうことを言うのは、 思考停止した左印の人々である。

 何事も現場――。映画「踊る大捜査線」で青島刑事が叫ぶ 前から、あらゆる職業人の鉄則である。現場を踏まずに、 あれこれウンチクや能書きや屁理屈を垂れる者は、 職業人失格である。ましてや私は取材記者である (知らなかったでしょ?)。ということで、11日(日曜)午前11時に 現場に着いた。もちろん朝食は抜いてある。

 レストランで使えるのはドルだから、 円を両替しなければならない。施設の中に両替所がある。 この日の率は1ドルを買う場合は127円、 1ドルを売る場合は114円だった。さすが米国内である。 ドルが強い。2000円分両替した。

 レストランでは最初にお金を払う。10ドル弱だったから、 1200円弱である。

 料理は取り放題だ。サラダ、エビ、カリカリベーコン、 ソーセージ、フレンチトースト、シーフード、くだもの(パイン、 すいか、メロン、ブドウなど)、肉、ラザニア……。 飲み物はコーヒー、紅茶、オレンジ100%ジュース、 グレープフルーツ100%ジュースなどなど。ほかには ケーキも取り放題だ。写真で少しだけおすそ分けしよう。

 天井は高い。大きな窓から東シナ海が目の前に見える。 どの席に座ってもいい。広い部屋なのに、 意外と席と席の間隔が狭い。200人くらいは収容できるそうだが、 満席になったらかなり窮屈だろう。この日は幸いにも空いていた。

 客の外人が大半だが、沖縄県民らしき人たちも 計10人くらいは客としていた。 机を回り、食べ終えた皿を片付けているのは県民だ。 やはり県民の職場になっている。「基地撤去!」と叫ぶ人たちは、 そんな暇があれば、ここで働いている人たちの転職先を 確保してあげたほうがいい。自分は安全な場所にいて、人の 茶碗を叩き落すような真似は、私なら恥ずかしくて できまへん。

 ビーンさんは「昨年来た時より、 料理がよくなっている」と喜んで、食べまくっている。 私も負けるわけにはいかない。 ただし、ブロッコリーとニンジンはパサパサに 乾いていて、人間が食べるものとは思えなかった。しかし、 私は母親譲りの貧乏性だから、こういう時は 無理にでも詰め込む習性がある。ブロッコリーとニンジン以外の 料理を何度おかわりしたことか。食べ放題が終了する午後2時までの 間に、2時間以上も食べ続け飲み続けていたら、腹が重くなってきた。 う、動けない。食べ過ぎた。

 食べ放題を謳いながら90分という制限時間を 設けているケチなバンボシュには2度と行く気はないけれど、 ここにはまた食べに来よう。(沖縄王・西野浩史)






©2002, 有限会社沖縄王