琉球サンロイヤルホテルの秋味覚プラン

 那覇市の琉球サンロイヤルホテルが出した創業15周年特別謝恩企画の 秋味覚プラン(県民宿泊プラン)に応募した。プラン内容は、「フランス料理又 は日本料理+宿泊1泊+朝食バイキング」で一人5800円だ。 先着300名限定で、10月25日までにハガキかファクスで申し込むようになってい た。実は去年も同プランに応募したがハズれてしまったので、今年こそ! と祈 るような気持ちだった。

 数日後、当選のハガキが送られてきた。よっしゃぁ〜っ! 近場の シティーホテルとはいえ、格安限定プランに当るのはやっぱりうれしい。 11月3日、週末を利用してウキウキ気分で琉球サンロイヤルホテルへ 向かった。ビーチリゾートの県民プランを利用することがほとんどなので、 那覇のホテルというのはかえって新鮮だ。場所は泉崎ロータリーのすぐ近くで、 国道58号線の一本裏手になる。うち(与那原町)からは 車で20〜30分の距離だ。

 考えてみると普段那覇に行くことはほとんどない。 車でしか行動しないので、駐車場のことを考えるとつい足が遠のいてしまう のだ。少し遠くても買い物は郊外のショッピングセンターに行くし、 映画を観るときは北谷と決めている。だから、那覇へ「遊び」に来るのは 本当に久しぶりだ。

 チェックイン後、国際通りへ行ってみた。 ホテルからは歩いて10分くらい。ちょうど良い散歩コースだ。 連れが福島県出身ということもあり、三越で開催されている 「福島の物産と観光展」まで行って戻ってくることにした。 国際通りを歩くのは久しぶりだ。 相変わらずゴミゴミしている。人の混み具合は東京の比ではないが、 道が本当に狭く感じる。いっそ歩行者天国にしてしまえ! といつも 思う。

 三越の「福島物産展」は思いのほか賑わっていた。 というよりものすごい熱気で、大混雑である。 地元のおばあたちが必死に見入っている姿が妙にかわいい。 出店者の商品説明にも熱心に聞き入っている。 私は入ってすぐ、ハチミツを売るおばさんにつかまった。 プロポリスやらローヤルゼリーを薦められ、蜂の巣ごと食べられる ハチミツを試食した。次に熊の油を売るおじさんにつかまり、 手に油をぬられ、4種類の健康茶をたて続けに飲んだ。 さらに進んで喜多方ラーメンの試食をした。 あまりのおいしさに試食では足りなくなって、 奥の「まるや」という店であらためて喜多方ラーメンを食べた。 さすが本場の麺とスープは違う。 これなら何杯でも入りそうだ。しかし今夜は県民プランのフランス料理が 待っている。ラーメンは「一杯のかけそば」のごとく連れと分けて食べた。 だがその後も、しじみごはんやらお漬物、まんじゅうなど、 公設市場に負けないくらいの試食攻めに遭い、 昼食抜きの予定が、結局小腹を満たしてしまった。

 帰りにフラリと「わしたショップ」に入ってみた。驚いた。 全くといっていいほど客がいないのだ。 福島物産展との対照的な光景に、現在の「沖縄観光客減少」 の深刻さを垣間見てしまったような気がした。

 さて。今回のプランのメインイベントはホテル10階のフレンチ・レストラン 「ボルドー」でのフランス料理フルコース(グラスワイン付)である。 ジーンズからスカートに着替えてレストランへ向かう。

 窓際のテーブルは予約でいっぱいだ。 景色は残念ながら「隣のビル」なので、すぐに諦めがつく。 ただ、店内はどっしりと落ち着いていて予想以上に素敵な雰囲気だ。 申し訳ないけれど「いわゆるビジネスホテルのレストランなんだからフラン ス料理ったって……」という失礼な気持ちがどこかにあった。 それだけに、ウエイターやウエイトレスのしっかりとした振る舞いが 心地よい。

 席に案内され、デジカメをテーブルに置くと、 ウエイトレスがすかさず「写真を撮る時はお気軽に声をかけてくださいね」と 言ってくれた。いつもこういう場で写真を撮るのがちょっと恥ずかしかったりす るので、気を配ってくれるのはとてもうれしい。

 料理は、まず「おつまみ」が運ばれてきた。 プチトマトや小海老などが小物入れのような器に一口大より小さく盛られてい る。「オードブルってことだよね」と思っていたら、 次に出てきたのが「オードブル」だった。こちらは、カボチャのムース、 パイで蓋をしたビーフシチュー、サーモンなど、海の幸と山の幸が並んでいる。 盛り付けがとても凝っていて、見た目にも楽しい。 ここでお品書きを要求したが、このプランでの料理には用意していないという。 これは減点だ。

 次にふわふわとクリーミーに泡立ったパンプキンスープとパンが 運ばれてきた。スープはもう少しこってりしている方がよい。 パンは温かくて香ばしい。実はこの辺りで早くもウエストがきつくなり 始めていた。私のような小食者にとってはオードブルとスープで 「ごちそうさま」と言えるほど、満足感のある内容なのだ。

 しかしメインはこれからだ。続いて魚料理が出てきた。 小振りの伊勢海老と白身魚をクリームソースでいただく。 さらに肉料理は牛ヒレ肉のソテーで、まいたけとガーリックチップスが載って いる。フランス料理だけに量が控えめで助かった。肉は柔らかく、 ガーリックとソースがよく合っている。

 ようやくデザートにたどりつく。ほっとする。 小さなチョコケーキや洋梨のシャーベット、フルーツに金色の糸状の飴が 飾られている。ひとつだけ気になったのはケーキだ。 これはよく食べ放題で出ているのと同じケーキじゃないか? ここへ来て、 少しだけ手抜きを感じてしまう。デザートの後の飲み物がコーヒーだけだった。 紅茶を選ばせてくれたら言うことなかったのに。

 とはいえ、宿泊を含めて5800円でこの内容の食事をいただければ 満足というしかない。レストランを出てエレベーターを待っていたら、 先ほどのウエイトレスが再び「ありがとうございました」と声をかけてくれた。 あの人はウエイトレスの鏡だ!

 客室は狭いがとても清潔で、ありがちな壁の隅のひび割れや汚れが全くなく、 本当にきれいだ。小花模様をあしらった壁紙が上品な印象を与え、 居心地の良さをひきたてている。おそらくシングルルームも落ち着いた プライベートタイムを過ごせるだろう。ビジネスマンにもお薦めしたい。

 今回の秋味覚プランは「2名様以上でお申し込みください」とあったが、 シングルでも利用できるようにしてはどうだろう。 沖縄はどうしてもファミリー向けのサービスに偏りがちだが、 こうしたシティーホテルこそシングル向けのサービスを重視したら 喜ばれるのではないだろうか。……とアンケートに記してホテルを後にした。 このホテルはフロントやレストランにもアンケート回収箱が目立つように 置かれていて、利用客の声を大切にしようとする姿勢が伝わってきた。 (沖縄王・伊藤珠央)

琉球サンロイヤルホテル
住所:那覇市東町6-20 →地図
電話:098-862-3811、098-864-0317(予約直通)
ファクス:098-864-1876
駐車場:地下にある
ホームページ:http://www.ryukyu-sunroyal-hotel.co.jp
Eメール:info@ryukyu-sunroyal-hotel.co.jp


<15周年特別企画>

●オータムフェア2001(11月30日まで)
10階フレンチ・レストラン「ボルドー」のコース料理、 1階和食レストラン「ボンジュール」の会席料理が 3800円(税・サービス料込)で楽しめる。※要予約

●ランチバイキング(毎日午前11時30分〜午後3時)
1階和食レストラン「ボンジュール」
和洋中バイキング、デザート各種、ドリンク付
大人950円 小人500円(税別)

●ホームパーティー出張サービス(那覇市内限定)
自宅でホテルの料理を楽しめる。 7〜10名用 2万円より(税別)※前日までに予約

●忘・新年会プラン(2002年1月31日まで)
4000円、5000円、6000円コース。飲み物込み、カラオケサービスがある。






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