本部半島をドライブしよう! その1

 沖縄に住み始めたころは沖縄本島をとても狭く感じていて、 例えば南部から最北端辺戸岬の日帰りドライブを何とも思わなかった。 しかし、住めば住むほど何故かその距離感は大きくなり、 最近では北部方面に足を延ばすことはほとんどなくなった。
 今回、本部半島の北側・今帰仁村にある「ベルパライソ」という リゾートホテルが待望の「県民向け宿泊プラン」を出し、 久々に遠出をするきっかけが出来た。本部半島の穴場という噂の 「ベルパライソ」に向けて、いざ出発!(M) 本部半島の地図はこちら

金武湾を見下ろして深呼吸
 高速道路を使ってドライブする際、ぜひ立ち寄りたいのが、 伊芸サービスエリア(上り)だ。ここの見晴台には座り心地の良い椅子があり、 とても落ち着く。静かだし、眼下に広がる金武湾の景色は新鮮で美しい。
 沖縄の高速道路は短いから運転で疲れることはそんなにないが、 ちょっと気分転換するには最高のロケーションといえる。
 ちなみに、備え付けの望遠鏡は無料だ。
 レストランは小奇麗で、沖縄の郷土料理やシェフのオリジナル メニューを味わえる。食事をするにもおすすめのサービスエリアだ。


ラッシーでアジアなティータイムを……
 許田ICを下りて、国道58号線をさらに北上する。 名護市役所の前を通り、ネオパーク方面へ向かう途中、 県道84号線(伊豆味線)との交差点が出てきたら そこを左折する。しばらくまっすぐ進むと「南来流(ナンクル)」という ガーデンカフェがある。
 塀の向こう側は広い駐車場になっていて、 そこから先はまさに「アジア」だ。
 木造の建物は、離れやテラスが渡り廊下で複雑につながっている。
 鮮やかなグリーンの熱帯植物が茂り、小川の流れる素敵なガーデンに囲まれ る。開放感があり、何となく、アジア奥地の民家に足を踏み入れたような 感覚だ。
 建物の中央が喫茶店になっており、離れの店では衣類や雑貨が、 中庭ではさまざまな壷が展示販売されている。 すべてタイから輸入しているそうだ。
 喫茶店の入り口に「お客様はこのボタンを押してください」とある。 押すと、店の人が出てきて「テラスでも中でもいいですよ」と案内してくれた。 中は靴を脱いで入るようになっており、かわいい雑貨が置かれている。
 風がとても気持ちいいので、テラスに座ることにした。
 ほかにもお客さんはいるのだが、非常に静か。 昼寝でもしたくなってしまう。テーブルも椅子も、 すべて自然な木の味わいが残され、手作りの温かさが伝わってくる。
 メニューはドリングが中心だ。コーヒーやハーブティー、ココアのほか、 チャイ(インドのミルクティー)やラッシー(インド風ヨーグルトシェイク)、 タイ風のおすすめパインジュースなどがある(各400円)。
 大好きなラッシーを飲んでみる。コクがあり、 ザクザクの氷でさっぱり飲める。
 焼き物のコップの自然な肌触りや土の色が アジアの雰囲気をさらに高めてくれる。

「ガーデンカフェ 南来流(ナンクル)」
住所:名護市字為又1219-54
電話:0980-52-0796
営業時間:午前10時〜午後6時(買い物は午後7時まで)
定休日:月曜(祝日は営業)


ゴーヤーパーク
 県道84号線をさらに西へ進み、「ゴーヤーパーク」の看板を右へ。  「世界でここだけ」というゴーヤー茶工場と水耕栽培のゴーヤーを見学できる。 水耕栽培とは水と水溶肥料のみで栽培することをいう。
 ビニールハウスになっている農場に入ると、明るい日差しの中、 ピッカピカの緑色をしたゴーヤーがひときわキレイに見える。 白いゴーヤーは珍しい。
 ゴーヤーだけでない。別のエリアではヘチマやメロンが 棚から下がって実っている。
 ショップのゴーヤーグッズはさすがに豊富だ。 これだけ集まっていると選ぶのが大変である。
 工場直営だけあって、ゴーヤー茶はティーパックから缶入り、粉末、 ゴーヤーの種子を増量したものまでさまざまな種類があり、 すべて無添加だ。
 カステラやちんすこう、かりんとう、ふりかけ、あんころもちなどなどを 用いた「ゴーヤー○○」という食品がこんなにあるとは知らなかった。
 ショップ横の食堂ではゴーヤー料理が用意されており、 まさにゴーヤー尽くし。ゴーヤーで健康になりたい人は、 ぜひ立ち寄ってみよう。

「OKINAWAゴーヤーパーク」
住所:名護市字中山894-9
電話:0120-0831-58
入場無料
営業時間:午前8時半〜午後5時半
休日:元旦だけ
ゴーヤー茶工場:6月〜9月
水耕栽培農場:一年中見学可


えびすくい
 ゴーヤーパークから県道84号線に戻り、 伊豆味パイン園を過ぎた後のカーブ左側に突然「えびすくい」という 看板が。
 なぜこんな所でえびをすくう!?
 早速、車を降りてみると、 ふたつのタライに車えびが漂っている。
 タライの脇には、おたまやフライ返し、小さい釣り竿などがあり、 「えびすくい500円。お持ち帰りできます」と書いてある。
 500円? 高いなぁ……、今日は「お持ち帰」れないし……などと思いながら えびを見つめていると、ご主人が現れ、 「テストでやってみて、ほい、ほい」と言いながら、 私におたま(網のついてるやつ)を渡してきた。
 これじゃぁ簡単すぎるでしょと思いきや、 えびはピョンピョンはねるので、すくった瞬間落ちてしまう。 それでも何度かやっているうちに、えびは おたまの上でおとなしくするようになった。
 「1匹100円で持ち帰れるよ」とご主人。 看板は少し書きなおした方がいいかもしれないと思ったが、 タダで楽しませてもらったからか、言えなかった。
 「試食もあるよ」と言われて店内へ。 ボイルしたえびを食べさせてくれた。
 ニコニコと人の良さそうなご主人だ。実際、本当に人がいい。聞けば 屋我地で養殖している車えびの販売を請け負っているという。 「沖縄特産 産地直送 活車えび」のチラシを渡された。 「沖縄で育った良質車えびを、宅配便でそのままお届け」してくれるそうだ。 「贈り物としてお勧めします」……か。
 でも、私はなんといっても「えびすくい」をおすすめしたい。

えびすくい:土日のみ
すくったえびは持ち帰り、調理OK。1匹100円


極上! カツオのタタキ定食
 渡久地港の橋の手前(瀬底側)、国道449号線沿いにある「さしみ亭」へ カツオを食べに行った。
 本部町は本島で唯一カツオ漁をやっているということで、 以前から「カツオ」の看板はよく目につき、 「本部のカツオ」が私は気になっていたのだ。
 大雨にもかかわらず、店内はお客さんでいっぱいだ。 地元客が圧倒的で、奥の座敷では宴会が行われているようだ。 私の席がなく、バイトの女の子はおろおろしていたが、 座敷のおじさんが「ここに座ったらいいさぁ〜」と自分の正面を指差したり、 テーブル席のご婦人たちが詰めてくれたりして、 何とか席を確保できた。
 「カツオのタタキ定食」(1000円)を早速注文する。 出てくるまでちょっと時間はかかったが、この混雑では仕方ないだろう。 何しろ、私が席に着いたあとも続々と客が入ってくるのだ。
 念願の「カツオのタタキ定食」は、そのボリュームに驚かされた。 こんなにタタキばっかり食べられるだろうかというぐらい皿の上に並んでいる。 ご飯にもずく酢、香の物、そして魚のアラとアーサのお吸い物はダシがきいて いる。どれもとてもおいしい。ちなみにご飯はおかわりOKだ。
 タタキにはネギがたっぷりかかっていて、しその葉やおろしにんにくと一緒に 食べると、タタキのほど良いあぶり加減と絶妙にマッチし、 「こんなに食べきれるか」どころか、次から次へいくらでも胃袋に入っていく。 途中で飽きることもなく、きれいに食べ終わった。
 おなかいっぱいのはずだが、奥の座敷に運ばれていく料理の良い香りが つい気になってしまう。
 メニューはほかにもさまざまな魚料理がある。 定食や一品物も豊富でリーズナブルだ。 地元の人に人気があるのもうなずける。

「さしみ亭」
住所:本部町字大浜882-7
電話:0980-47-5523・3410
営業時間:午前11時半〜午後10時
定休日:無休
駐車場:7台可







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