ハグロトンボ交尾


 ハグロトンボ産卵


今泉真也写真展などのお知らせ

森の世界のミニ展覧会
 7月29日〜2週間ほど。国頭村物産センターで。

「海のお散歩」ミニ写真展
 8月8日〜9月17日、佐敷町の喫茶「Be Natural」で。

国際通りの琉球民芸品店「鍵石(キーストーン) 牧志店(電話098-866-0496)で、山と海の ポストカード集各6枚組を販売中。
今泉真也と行くワッター自然
第4回 トンボも一生懸命


 5〜6月は子育てのシーズン。森は、鳥の親子連れやチビ虫たちの姿でいっぱいでした。水も日増しに温かく、川へ入るのが幸せになってきて、水辺にいる時間が自然と増えます。そこでは今年も昆虫たちの世代交代が行なわれていました。

 澄んだ川の流れがちょっとひと息ついたような所で暮らすトンボの仲間。沖縄本島中南部では少なくなったリュウキュウハグロ(羽黒)トンボは、長さ5センチあまりの大きな身体が緑や青に美しく輝く、子供たちの人気者です。

 けれども気は強く、縄張りは厳密で、よそ者は大変です。当然追われて逃げるのですが、一直線ではなく何故か1〜3mくらいの範囲で同じ所を行ったり来たり。このシーソーダンスは長いときには30往復を超えることがあり、テンポの早さはちょうど卓球のラリーのよう。間に立ってみても微妙に避けるだけで、追いかけっこはやみません。ずっと見ていると目が回ってしまいます。

 彼らは求愛も一生懸命です。葉先にとまったメス(茶色)の前で気を引くようにオスはフラフラと飛び、メスがその気になると交尾に入ります(写真)。この時のふたりのやりとりを見ていても僕にはよく分からないのですが、オスはけっこう粘ってアタックし続けたあとに、プイッと別のメスを探しに行ってしまうことがあるから、どうもメスは相当のポーカーフェイスのようです。

 産卵は、繋がったままの時と、メスが独りで産む時とがあります。交尾を一度解いた場合、オスは選んだ場所をメスに「ここだよ〜」とばかり、水面にふわりと浮かんで知らせます。次にメスの前に戻って熱烈アピール。また水面。これを繰り返します。たいがいそこは流れているので、オスは浮いたまま、愛しいお姫さまからどんどん離れていってしまう。慌ててメスのもとに戻る様子を見ていると、本能かどうかなんて、ほんとにどうでもいいことだと思えます。

   メスはもうお母さんの心境で、目の前の忙しいオスのことなど気にならないのかとやや不満に思いつつ見守っていると、やおらメスはひらりとその場所に舞い降り、産卵に入ったのです。その姿はまさに天女! …ああよかった。

 ひとつひとつ、お尻でさぐりながら産みつけられてゆく卵たち。しずしずと水の中に入ってゆくオゴソカな母親の姿は、やがてそこで産まれ、ヤゴとして水底で育ってゆく水のいきものとしての迷いない未来と、これまでの長い長〜い歴史をしみじみ想ってしまいます。

 ハグロトンボは、完全に潜って卵を産むこともあります。今回は事情によりその写真を皆さんにお伝えできなくなってしまいましたが、黒い姿は空気の薄い膜に包まれて全身銀色に輝き、なんとも神々しいような光景でした。


リュウキュウハグ・トンボに会える場所

比地大滝
 入場料の必要な川となってしまったが、その分、安心して歩ける(?!)  (ただし、私・今泉は、もうずっと行く気にはなりません。ハイ)

源河大川
 地元の方々が大切にしてる川で、川沿いに車道があり、 キャンパーにも人気。どこでも降りて遊べるが、車の置き方やゴミの始末、 ほかの人々とのアイサツなどを大切に!(サンダルもあるとGood!)

轟の滝
 琉球の王様が涼をとったので有名。今は水が少ないが、 川原の岩の間にカエルがいたりしてけっこう面白い!(運動靴でも行けます)

県民の森
 「看板」の好きな方(木の名前、コース案内、注意書き、etc.・・・)に。 コースが決められていて、自由に走り回るには向いていない。 小さな子のいるグループにはよいかもしれません。
末吉公園
 街中にある公園で、生き物のことを少し知っている方なら なかなか楽しくすごせるところ。ホタルもいます(陸棲の)。 中は道が複雑なので、ブラリと入るのは止めた方が◎。 ガジャン(蚊)もいっぱいです。





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