一流の舞踊家の踊りを格安で見られる夢のような時間


三線を手に、熱い思いで琉舞を語る平良さん


住所:玉城村親慶原632−5
地図
電話&ファクス:098−949−7056
営業時間:午前9時から午後5時
休館日:火曜
駐車場:広い
ホームページ:http://www.udui.co.jp/
公演時間:
1回目 午前9時30分から午前10時10分
2回目 午前10時30分から午前11時10分
3回目 午前11時30分から午後0時10分
4回目 午後1時から午後1時40分
5回目 午後2時から午後2時40分
6回目 午後3時から午後3時40分
琉球舞踊館「うどい」に行こう!


 私たちが誇る伝統文化の1つに琉球舞踊がある。 街には琉舞道場がたくさんあり、 そこでは若い女性たちが懸命に習っている。 本土ではあまり見かけない光景だ。

 本土から知り合いが来たら、琉舞を見せたいと思う。 ところが、適当な場が見当たらない。 観光客向けに琉舞を見せる店などの場合、 食事つきだったりするから値段が高くなる。 琉舞と言いながら民謡を出すところもある。 琉舞の専門家ではない人が踊っているところもある。 那覇市にある県立劇場は県立の割にははっきり言って価格が高い。

 一流の舞踊家が本物の琉舞を 適度な価格で見せてくれる場はないのだろうか。 沖縄に住む私たちが気軽に伝統文化を楽しめる場はないのだろうか。

 実は、ある。それが琉球舞踊館「うどい」だ。 うちなーんちゅなら分かるように、「うどい」は「踊り」のこと。 常設の純粋な舞踊館として沖縄に唯一あるのがここなのだ。

 公演は1日に6回もある。1回あたり40分だ。 幕間には丁寧な解説を聞くことができるから、 琉舞の理解が深まる。しかも、入場料は大人(高校生以上)が1500円、 子供(4歳以上、中学生以下)が600円。 これなら値ごろ感は十分ある。これから述べるように、 質は超一流だから、ちびらーさん(素晴らしい)。

 琉舞を披露するのは宮城流美能留(みのる)会(宮城早苗・会主)だ。 振りの大きな踊りを得意とする。ここには深い意味がある。 振りが大きいということは、バランスを崩しやすい ということでもある。つまり、そういう難しい踊りができるのだ。 技量ある踊り手である証拠だ。事実、「うどい」で踊るのは 師範クラスからさまざまな賞を受賞したことのある若手まで 実力派ぞろいなのだ。これだけの舞踊家が 琉舞を常時披露している場はほかにない。

 三線を中心とした演奏は録音だが、 県指定の古典音楽保持者たちの手による。じっくり聞きたい。

 ここで、「うどい」の舞台裏を見ておこう。 経営する平良信孝さんは東京理科大理学部を卒業したあと、 東京で高校の化学の先生をしていた。 生徒思いの熱血教師だった。 退学してゆく生徒への気遣いや生徒の心をつかむ授業など、 熱血漢としての数々のエピソードを残して帰沖、 公共事業に関わる造形のプランニングを請け負う企業で働いた末、 2000年1月6日に「うどい」を開設した。 こうして今日、沖縄の伝統文化と観光産業に心血を注いでいる。

 「私は日本の工芸や伝統文化に興味がありまして、 京都や金沢などが好きでよく通ったものです。 でも、自分は沖縄の人間なんだから沖縄のものを大切にしなければ。 本場で本場の琉舞を」と思い至り、立ち上げを決意した。

 「うどい」では入場者の数に関係なく、 舞踊家には定額の謝礼を出す。 お金のリスクは経営者である自分が負うべきだと平良さんは考えているからだ。 こうした姿勢は容易ではない。片手間で琉舞らしきものを 披露しているところでは、 入場者数が少ないと何の予告もなく取りやめることがある。 「うどい」には高校教師時代と変わらない 平良さんの情熱が生きているのだ。

 沖縄に住んでいるからこそ、 本場の琉舞を手ごろな価格でいつでも楽みたいという人は 「うどい友の会」に入ろう。 年間1口5000円(1名法人、個人)を基本に会員になれば、 1年間に何回でも入場できてしまうのだ。 会員が同伴する人は何人でも入場料は2割引きになるというから、 これは大変なサービスである。詳細は「うどい」に問い合わせよう。

 「うどい」ではまた、三線を販売している。 本物のニシキヘビの皮を使い、絹で補強加工してあるので、 乾燥しても皮が切れにくくなっている。 これにバチや三線袋、ハブ油、予備の弦がついて、 計3万5000円(税別)。教則本(1260円)やビデオ(2070円)もある。






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