絶景100景―第20景

八重岳で桜を愛でる

 1月上旬、桜を愛でようと思い立ち、 八重岳を目指した。本土でこの時期に 桜を見たいと思っても、絶対に無理である。 そう思うと、ついつい「まいったか」と胸を張りたくなる。

 山頂への道中にある駐車場で、写真撮影をしている 男性たちを見かけた。とっても高価なカメラを持っているうえ、 三脚に装着して、じっくり狙っている(写真1枚目)。 こういう人がいる場所は、お決まりの絶景が約束されていると 考えていい。さっそく私はその隣にしれっと並び、 自慢の愛機ディマージュ7iをのぞいてみた。 望遠で見たところ、伊江島を背景に 鮮やかな桜が浮き上がる(写真2枚目)。 肉眼ではこうは見えない。望遠レンズ(200ミリ程度)を 備えたカメラか望遠鏡を持参すれば、より楽しめる。

 ほかにも面白い景色がある。桜とススキの 取り合わせである(写真3枚目)。沖縄の人にとっては 普通の光景かもしれないが、本土の人間にとっては 春に見る桜と秋に見るススキは「あるはずがない」 組み合わせなのである。

 “山頂”に行ってみた。米軍施設らしいものが ある程度で、ほかには何もない(写真4枚目)。 がら〜んとしている。 「八重岳の山頂には何もないんだなぁ。ここまで来る 必要はなかったなぁ」と思って下山した。後日、地図を 見てみたら、山頂は別の場所にあることが分かった。 ややや。うかつにも標識を見落としたか。 それとも標識が整備されていなかったのか。 今度行く時(いつになるのだろう?)には必ずや 山頂を“踏破”したい。

 この記事が掲載されるころから、八重岳は新緑の季節を 迎える。来年の桜見物の参考にしてもらえれば。 (沖縄王・西野浩史)





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