沖縄の新聞の誤字脱字意味不明
『沖縄タイムス』2003年1月13日付別刷「求人情報パッション」


 今回から始まる新しい企画である。 地元紙でよく見られる誤字や脱字、 それから意味不明の文章などを、 沖縄王がど〜んと(というほどでもないか) 記録することで歴史に残し、 ついでにこの不景気な時代にみんなで 明るくなろう(笑えば明るくなるでしょ) という“大きなお世話企画”である。

 いやしかし、これがきっかけで沖縄の新聞界 全体の力が向上するなら、私の本望である。 なんちゃって(←かなり古いかな)。

 栄えある1番目は『沖縄タイムス』の 別刷「求人情報パッション」で見つけた 大きな誤字である。活字が大きいから 目立つの何のって(どうでもいいことだが 「何の」って何だろう)。でも、どうして こんな大きな活字が整理記者と校閲記者の 目に入らなかったのか。 不思議というか「さすが沖縄」というか、 「校閲部あんのか」というか、 まぁそんな与太はどうでもいい(←だったら書くな)。

 まずは写真を見て欲しい。稲嶺知事に 話を聞いて、その発言を文字にした記事である。 稲嶺知事の写真の右側に大きな見出しが あるでしょ。<課題は山積していますが、 意欲は充分。積極的な姿勢で二期目に 望みたい>ね。この中に誤字がある。 分かりますか?

 そう。<望みたい>。これは<臨みたい>が 正しい。

 手元にある『毎日新聞用語集』(2002年2月10日発行)にはこうある。

望〔希望、望見〕海を望む高台、多くを望まない、故郷の空を 望む、成功を望む、望みがない
臨〔臨場、臨機〕海に臨む家並み、機に臨み変に応じて、 その場に臨んで

 ね。分かったかな。紙面通りに<望みたい>と読むと、 何を希望するのか分からない。なぜこのような間違いを したのか。本文を読んでみたら、あったあった。 <二期目の課題と豊富について>に対する 稲嶺知事の発言として <郷土の輝かしい未来を創造していきたいと 強く望んでいます>という文章があるのだ。 どうやらこれを“根拠”にして<望みたい>という 見出しをつくってしまったようだ。文意すら理解できて いないのね。

 なぜこのような間違いをしたのか。 「真面目に仕事をしていないから」や 「校閲の程度が低いから」、「複数の 目で確認作業をしていないのではないか」など、 さまざまな原因が考えられる。

 整理記者が見出しづくりに臨み、校閲記者が ゲラの確認作業に臨む際には、 間違いのない仕事をすることを私は 望みたい。(沖縄王・西野浩史)






©2003, 有限会社沖縄王