今帰仁城跡への誘い



美しい曲線の城壁


遠くに見えるのは古宇利島


古城の月
絶景100景―第19景

世界遺産「今帰仁城跡」を歩く

 世界遺産に登録されたグスク群の1つである 今帰仁城跡を訪れた。1月上旬だというのに、 早くも二分咲きの緋寒桜がグスクまでの坂道を彩っている。

 「町の有力者」によって築かれたのは13世紀から14世紀と 伝えられている。城の入り口にぽっかり開いた門をくぐり、 30メートルほどの階段を登りきると、 大庭(ウーミヤ)と呼ばれる広場に出る。

 左側の大きなデイゴの木の奥に、 木を囲むように石段が詰まれた「テンチジアマチジ」 と呼ばれる場所がある。男子禁制の聖地で、 グスクウイミ(城拝み)の祭りにノロや神人だけで祭祀が 行われたそうだ。城内の拝所の中でこの「テンチジアマチジ」は 最も崇高な霊地とされている。

 首里城に続いて2番目の大きさである 今帰仁城跡の特徴はその城壁にある。 野面積み(のづらづみ)という、加工されていない石を積み上げる工法で、 しかも美しい曲線で城の周りをぐるりと取り囲んでいるのである。 すれ違う観光客から「万里の長城みたいだね」という感想が聞こえてきた。 そう、正に「”ミニ”万里の長城」の感がある。

 大庭(ウーミヤ)の先にある 志慶真門郭(しげまじょうかく)でその城壁を一望できる。 現在も修復作業が続けられている。 築かれた当時から残っている部分があるという。

 絶景は御内原(ウーチバル)と呼ばれる場所から 眺めることが出来る。東シナ海を望むその場所からは 古宇利(こうり)島が見える。大隅(ウーシミ)と呼ばれる 城内で一番広い場所を見下ろすことも出来る。

 大隈(ウーシミ)のあちらこちらに緋寒桜が植栽されているので、 満開の時期にはまた違った雰囲気を見せてくれることだろう。 今月下旬、また訪れようと思った。(沖縄王・kiyomi G.)





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