難攻不落の勝連城


なんだ坂こんな坂


三の曲輪から一の曲輪を見上げる


趣のある風景


絶景100景―第17景

世界遺産・勝連城跡に“復讐戦”を挑む

 2000年に世界遺産に登録された「琉球王国のグスク及び関連遺産群」。 勝連城跡はそのグスク(城)の一つに含まれている。 グスク群の中で一番古く、奈良時代に作られ、現在の規模に完成したのは 14世紀初め、鎌倉幕府末期の頃と伝えれている。

 勝連城跡の最後の城主は阿麻和利(アマワリ)という人物だった。 沖縄芝居でたびたび演じられるそのドラマティックな人生はあまりにも有名だ。 悪役として名高い彼だが、亀島靖氏は「琉球歴史の謎とロマン その一」で、 興味深い逆説を説いている ( http://www.kobundo.net/rensai/katsuren)。

 いざ! その勝連城跡へ。

 勝連城跡には頂上から数えて「曲輪」と呼ばれる広場が4つある。 車が1台通るくらいの登り道を通り、現在は駐車場と化した 「四の曲輪」に車を停め、「三の曲輪」を目指す。これが「曲輪」……じゃない 「曲者」なのだ! 「三の曲輪」までの急な坂は大小まざったゴツゴツした 石で敷き詰められている。

 ただでさえ足場の悪いこの道を、 初めてこの土地を訪れた私は無謀にも厚底サンダルで上ろうとして しまったことがある。その時は、坂を上りながら下りの心配をした私は、 頂上である「一の曲輪」まで進む気力を失い、 頂上を見ずに下山してしまった前歴を持つ(案の定、 上りの倍の時間をかけて下りた時には足がガクガク状態でした)。

 今回そのリベンジをかけての絶景取材で、 いつもとは気合いの入れ方が違うゾ。今日はスポーツシューズを バッチリ履き、ショルダーバックを「幼稚園掛け」しているのだ。それでも、 急な坂を見上げると、「おぉ〜。よくぞこの坂を私はあのサンダルで上ろうとし た ものだわい」と思わず“自画自賛”したくなるような険しい坂である (私にとってはね)。

 一歩一歩足場を確かめるように上り、 「三の曲輪」に到着である。普段の運動不 足が祟り、すでに軽く息が上がっている私であった。 でもまだまだ頂上は先だぞ。かなり段差のある5、6段の階段を上れば そこが「ニの曲輪」だ。「一の曲輪」まであともう一息だ。

 上り方は2通りある。近道は正面左側の城壁を歩く方法なのだが、 断崖絶壁で手すりがない。高所恐怖症の私は遠回りの道を選ぶ。 正面右側のゆるやかな坂を上っていくのである。

 とうとう頂上「一の曲輪」に到着だ! 何とそこは360度パノラマの 景色が広がっている。海風がとても心地良い。到着した暁には リベンジ感を高めるために、白鳥麗子のごとく「オホホホホ!」と 高笑いを一発キメてみようかなと思っていたのだが、そんなことを 忘れ、時間も忘れてそこにとどまりたくなるような、 居心地のよ〜い場所であった。(沖縄王・Kiyomi.G.)





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