映画通が注目する
首里のアルテプランHUGホール


 映画通にはたまらない作品の数々を上映 しているのが、那覇市首里の環状2号沿い(沖縄自動車道 那覇インター近く)にある 「アルテプランHUGホール」だ。

 HUGは「ハグ」と読む。軽い抱擁を意味する英語で、 最近は日本でも「ハグハグする」という使い方をされる。 日本にない習慣である。あえて意訳すれば、日本では 「肩を叩き合う」という感じだろうか。

 「かわいいかなと思って」この名前をつけ、 同ホールを運営しているのが HUG代表の高山創一さん(27歳)だ。 HUG自体は2年前からさまざまな催しの場で映画上映を してきた。そういう場合、主になるのはあくまでもその催し 自体だ。映画は従になってしまう。「映画を主にして、 自分の気に入った映画を、落ち着いて楽しめる場をつくりたい」と 思い、この4月から“常設小屋”を開設した。

 高山さんは、 小学生の時に見た スピルバーグ監督の「E・T」や「インディンジョーンズ」などの ハリウッド映画がきっかけで、映画の面白さに心を奪われた。 中学時代には「映画監督になりたい」と志す。 高校時代には黒澤明監督の「七人の侍」を映画館で見て、 「こんなに面白い日本映画があるのかとびっくりしました」。 見る映画の幅が広がり、アジアの映画にも興味を抱く ようになった。

 同ホールで上映する映画を選ぶ基準は 「上映して価値のあるもの。意味のあるもの」である。 となると、娯楽系でない映画が多い。具体的には 「アート系や異質なドキュメンタリー系といった、 個性のある映画ということになります。こういう作品は ビデオ屋に置いていなかったり、仮に置いてあっても 手を伸ばさなかったりで、見ないままになってしまうもの です」。

 新しく開局したFM那覇(78.0MHz)で、毎週日曜 午後11時から「アジアンシネマ突風」という30分番組を 高山さんは担当する。 「これから風(突風)を起こしそうな映画に関する 情報を流していきたい」と意欲満々だ。同ホール同様、 映画通は要注目である。(沖縄王・西野浩史)

アルテプランHUGホール
住所:那覇市首里崎山町3−34
電話:098−882−4009
電子手紙あて先:ksui@h9.dion.ne.jp
上映時間:夕方以降。詳細は問い合わせを
駐車場:20台ほど駐車可能(鳥堀交差点から環状2号を那覇インター 方面に下りて行くと、同ホールがあるロケットビルが 左側に見えてくる。そのロケットビルの手前左側に 細い道があるので、そこを下りて少し走ると右側にある)
▽会員登録(無料)すれば、前売り料金で見ることができるほか、 上映作品の日程を連絡してもらえる
▽中川陽介監督の「Departure」(2001ベルリン映画祭ヤングフォーラム部門正 式招待作品)は7月12日から上映開始
▽上映作品の日程表や前売り券は喫茶室アルテ崎山店(098−884−7522)にある






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