沖縄尚学高・地域国際交流クラブの活動

 沖縄尚学高(那覇市)の地域国際交流クラブは 同高教師の指導の下、質の高い活動をしている。 例えば、昨年度から今年度にかけて取り組んだものの1つに ハンセン病問題がある。まずは勉強をして、元患者に話を聞き、 最後に療養所「沖縄愛楽園」で交流会をした。

 交流会で披露する 創作インド舞踊を部員に教える担当だったのが 同高3年の照屋朋子さん(17歳)=写真=だ。 交流会まで8日しかない状態だったので、 塾を休み、毎日夕方から夜まで映画『踊るマハラジャ』の ビデオを繰り返し見て、研究した。交流会では「花」や 「てぃんさぐの花」などの歌も披露した。入所者は 声を上げて泣いた。

 「ハンセン病に対する偏見ってすごいなと思いました。 感染すると勘違いしている人が今もいるんです」。 活動を通して、“世間の目”が見えてきた。

 アフガン難民支援活動では校内での義捐金の呼びかけなどを した。「自分たちは恵まれていると思いました。同じ人間だから、 豊かな国の人々が途上国の人たちに手助けをしてあげないと いけないと思いました」。世界に目を向けるいい機会になった のは間違いない。


 照屋さんはテレビ番組『アリーマイラブ』などの影響で、 将来は「国際的な弁護士になりたい」と思っている。 世の中にはいろいろな弁護士がいるものだが、 この活動を通して身に付けた視点を持ち続ければ、 きっと素敵な弁護士になることができる。照屋さんには 『法科大学院』(山田剛志・平凡社新書)をお薦めしておこう。

 それにしても、地道な活動をするクラブなのに、 部員が50人以上もいるというのはすごいなぁ。 (沖縄王・西野浩史=文/ハブ太郎=写真)






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