画像サイズは、110×146ドット
(1.6万画素相当)。
最高画質(低圧縮)で、ファイルサイズは
18KB。


画像サイズは上の写真の4倍、220×293
ドット(6.4万画素相当)。
最高画質(低圧縮)で圧縮して
ファイルサイズは約63KB。


画像サイズは上の写真と同じ、220×293
ドット。最低画質(高圧縮)でファイルサイズ
は、約11KB。
一番上の写真よりファイルサイズは小さく
なった。が、鮮明度が落ち画質が悪くなったことが分かる。
デジカメで沖縄を撮る前に―「画質」って何?


 沖縄には素晴らしい被写体が多い。 沖縄で暮らしているのにこれを撮らないのは もったいない。

 カメラは難しくない。普及著しいデジカメなら 簡単にいい写真を撮ることができる。 沖縄王スタッフも新しいデジカメを購入して、 より美しい写真をお届けしようと意気込んでいる。 ところが、ここで素朴な疑問に直面した。 500万画素のデジカメで撮った画像をパソコンで 処理しようとすると、動きが遅くてワジワジ〜するのだ。 かといって、画質を落としたくない。どうすればいいの?

 そこで今回、ほとんどのデジカメで設定できる 画素数や圧縮率と、目的に合わせた設定方法について 解説しよう。(沖縄王・tina)

 まず、「画素数」と「画像サイズ」と「圧縮率」、 それに「ファイルサイズ」の関係を説明する。 「画素数」が小さいカメラで撮った写真の「ファイルサイズ」は 小さい。「画像サイズ」を小さくすると、やはり「ファイルサイズ」は 小さくなる。「圧縮率」を上げても、「ファイルサイズ」は小さくなる。 この4者の関係は、どうなっているんだろうか。

 基本は「画素数=画像サイズ」である。 正確に言うと、画素数が500万のカメラでも、 30万画素のカメラと同じ画像サイズの写真は撮れるから、 厳密には意味が違うが、ここは乱暴に、「画素数=画像サイズ」と理解しておこ う。

 画素数は、画像を構成する点(ドット)の数である。 読んで字のごとく、「画」の「素」。一方、画像サイズは、 「1024×768」や「640×480」などと記され、 一般的には「横×縦」のドット数で呼ぶ。 そして、「横×縦=画素数」であり、 例えば、640×480=約30万。 逆に言うと、30万画素のカメラで撮影できる画像サイズは、 「640×480」というわけだ。「画素数」と「画像サイズ」は、 「面積」で数えるか「横×縦」で数えるかの違いでしかないことを、 まずは理解しよう。

 画素数と画像サイズを、西陣織に例えてみよう。 同じ種類の糸を使って、布の面積を小さくすると、 使う糸の量は減る。つまり、布の面積を小さくすれば、 布の重さが軽くなる。画像にあてはめれば、 画像サイズを小さくすることで、ファイルサイズが軽く (小さく)なる、ということだ。

 次に、「圧縮率」である。多くのデジカメには、 スーパーファインやファイン、ノーマルなどを選べる設定がある。 ところで、BMP(ビーエムピー)やJPEG(ジェイペグ)という言葉を聞いたこと があるだろうか。BMPもJPEGも、 パソコンで取り扱う画像データの形式である。 BMPとJPEGの違いは、JPEGが、撮影した画像を圧縮するのに 対し、BMPは非圧縮であることだ。もし、読者のパソコンに BMP形式の画像があれば、それを画像編集ソフトを使って JPEGとして保存し直してみて欲しい。ファイルの プロパティを見ると、ファイルサイズが全く違っているはずだ。 JPEGで保存すると圧縮されたため、 BMPに比べてファイルサイズが数十分の一の大きさになる ことが分かる。

 もう少し詳しく書くと、JPEGは、よく似た色の画素などを 間引いている。間引くことでファイルサイズを小さくするのだ。 間引くのだから、実は、人間の目では分からない範囲で 画質は落ちている。例えて言えば、 同じ面積で同じ柄の西陣織を織るのに、 糸を100巻使うか50巻使うかで、出来映えは違うだろう。 布の面積は同じなのに、間引いて織ったために、 緻密さが違うし布の重さも違う。これを画像にあてはめれば、 画像サイズは同じなのに、間引いたために、 緻密さとファイルサイズが違う、ということになる。

 デジカメは、撮影した画像のファイルサイズを小さくするため、 こうした性質を利用してJPEG形式で保存しているわけだ。 ファインやノーマルなどの圧縮率を自分で 設定できるようにしてあるが、スーパーファインのような 画質が高い設定では、圧縮率は低い。つまり、 あまり圧縮していないので、本来の画像に近い。

 以上、画素数と画像サイズ、圧縮率とファイルサイズの関係が 理解できたら、冒頭の、素朴な疑問への回答だ。

 パソコンで画像を扱いやすくするためには、 ファイルサイズを小さくするのが鉄則だ。 方法は2つある。「画像サイズを小さくする」か、 「圧縮率を上げる」か、である。 圧縮率を上げると間引く量が増えて画質が下がるので、 できれば避けたい。となると、画像サイズを下げるしかない。 もし、撮影する写真をホームページやメールに使う目的なら、 最初から画像サイズを小さくして撮影することをお薦めする。 その上で、できるだけ美しく見せたい場合は、 圧縮率は低め(スーパーファインなど)を選択する。 こうしておけば、パソコンでの扱いは楽になり、 ハードディスク容量の節約にもなる。 200万画素クラス以上のデジカメには、 こうした設定項目がたいてい用意されている。 デジカメの特性を理解して、目的にあった撮影を 楽しんで欲しい。





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