カメラのカビを防ぐ方法

 沖縄は高温多湿で、カビが生えやすい。 カビというと、食べ物のカビには気をつけるものだ。 一方で、意外と気をつけないのが カメラのカビである。「え? カメラにカビが生えるの?」と 驚くあなた! 手遅れにならないための ワザを、カメラのキタムラ北谷店の植月裕仁さん(27歳)に 伝授してもらおう。

 カメラに生えやすいのは一般に乾燥カビと言われる 種類のカビだ。レンズなどに付着して、繁殖する。 カメラ本体に生えることもある。 レンズにカビが生えたままにしておいたら、 ソフトフィルターみたいに画像がぼやけてしまう。 自動焦点カメラの場合は焦点が合わなくなる。 デジカメのレンズだってカビにやられる。

 そうなったら、カビの除去をするしかない。 通常はカメラ屋にお願いすることになる。カメラの キタムラの場合は本土に送るので、1ヵ月くらいの 期間がかかる。費用は8000円から1万5000円くらいだ。 その間はカメラがないわけだし、 けっこうな出費になる。さらに踏んだり蹴ったりの 話が待っている。ここからが恐ろしい。

 実はカビを100%除去するのは不可能なのだ。 ということは、いずれまた生えてくる。

 悪循環に陥らないためには、 カビが生えないようにすることに全力を注ぐ必要がある。 乾燥材入りのカメラ箱などに入れるのは基本中の基本ではある。でも、これで安 心してはいけない。数万円の電気式のカメラ箱に入れていても、カビにやられる ことがあるのだ。では、どうするか。実は非常に簡単な方法がある。

 「一番いいのは、カメラを常時使うことです。 週に1回はカメラを手にしたほうがいいですね。 そうすることで、カメラの中の空気を循環させるんです。 使っていればカビは生えません」と 植月さんは“秘術”を教えてくれた。もう少し具体的に言うと―。

 ・巻き上げる
 ・絞りを動かす
 ・ズームレンズの場合はズームを動かす
 ・シャッターを10回くらい切る
 ・いろいろなダイヤルを動かす

 フィルムが入っていてもいなくても、上記の作業は 欠かせない。フィルムが入っているなら、 早めに使い切ることになる。実はそのほうがいい のだ。

 蛇足だが、エンジンを切った車の中にカメラを 置いてはいけない。夏場の日差しで車内温度が急上昇するから、レンズや本体が プラスチック製のコンパクトカメラは 溶けてしまう。もちろんフィルムはお陀仏である。

 カメラ箱に入れてあるから大丈夫だと安心している あなた、カメラを毎週手に取って かわいがってやろう。(沖縄王・西野浩史)






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