美しい新緑が目前に広がる


「ふれあい広場」に建てられた記念碑


与那覇岳の入り口は林道の途中にある


そして道は続く

絶景100景--第11景

癒しの大国林道

 待ってました! とばかりに新緑が目に眩しい季節 となった。ご存知の通り沖縄には山が少ない。 新緑を堪能できる貴重な場所がある。 ストレス解消に、のんびりできる絶好の癒しの場所だ。

 大国林道である。国道58号線を辺戸岬向けに走り、 東海岸へとつながる県道2号線へ右折する。 数キロ走らせると右に大国林道入り口が見える。

 林道へ入ると、当たり前なのだが、周りは山々に囲まれ、 海が一切見えない景色が広がる。沖縄の道を走らせる場合、視界の一部に海が見 えてくるものだが、ここでは全く見えない。その景色に慣れていない私は「う わぁ。随分山奥に 来ちまっただよ。ここで車がエンストしたら無事に 帰れるのかしら?」といらぬ心配が頭をよぎる。

 人通りの少ない季節は不安になるだろうが、 観光シーズンとも重なり、すれ違う 車が普段より多いので安心する。

 林道は全長35.5Km、起点は国頭村与那、終点は大宜味村大保だ。1993年に開通 した。 総工費45億9000万円を投じられた着工当時から 随分批判された。赤土汚染や小動物絶滅の危機に追いやった原因を作った道であ る。実際、ヤフーで「大国林道」と検索してみると、その多くは問題を提起する ホー ムページがズラーっと並ぶ。

 だが、この「大国林道」は私のような アウトドア初心者にとって、手軽に自然と触れ合う道と してうってつけの場所だ。車で行けるので、 子供からお年寄りまでその自然の壮大さや山の魅力を 感じられる場所なのだ。さまざまな環境問題を投げ かけられても、実際にその目で自然の尊さを 感じないことには、ピンとこないだろう。 そういう点で“学習”できる「道」である。

 思わずため息がもれる程の壮大な景色をあとに、 複雑な気持ちで山を下りた。(沖縄王・Kiyomi.G.)





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