海中道路歩道橋より。爽快なドライブが
待っている!

こんなにゴミをむき出しにしたらきれいな
公園が台なしだ

ここはまだマシな方とはいえ、この漂着
ゴミさえなければと思いませんか?

伊計大橋。この手前から下りると小さな
ビーチがあり、ピクニックもできる。
ただし駐車スペースはほとんどない

伊計大橋より。まさに一服の清涼剤的
風景です

ビッグタイムリゾート伊計島とグラウンド。
左の本館の裏にコテージがある
絶景100景--第9景

海中道路〜伊計島ドライブ

 目が覚めると空は真青、風はなく、穏やかで気持ちがいい。 こんな日曜は家にいちゃぁもったいない! どこへ行こうかと 沖縄の地図を開く。久しぶりに海中道路から 伊計島までドライブすることにした。

 お昼頃お弁当と飲み物を持って与那原を出発し、 40〜50分ほどで海中道路に到着する。 海中道路は勝連半島と平安座島を結ぶ海の上の道路だ。 全長約5キロメートルで快適なドライブコースとなっている。 昔は平安座島の人々が干潮時に総出で土や石を運び、 本島への道を作ったという話を聞いたことがある。 人々の想いと積み重ねが現在の立派な道路を 完成させたのだろう。

 私が4年前に初めてここへ来た時は、 あちらこちらが工事中で片側通行だった。 その次に来た時は道路は広くなり駐車場が完備されていた。 そして今回、ゆっくりくつろげる公園(ロードパーク)の整備が進み、 海にせり出した遊歩道や洒落た外観の管理事務所、そこから 階段を上がる歩道橋が完成している。

 公園にはピクニックやウィンドサーフィンを楽しむ人々が 集まっている。しかし大混雑というわけではない。 どこへ行っても人の集まり方が適度なのは 沖縄のいいところだと思う。

 遊歩道の先端で腰をおろし、海を間近に見ながら お弁当を食べた。快晴という天気の良さも手伝って 海は驚くほど青く透き通っている。 身近な海がここまできれいなのは沖縄ならではだ。 「さすがだなぁ」と、ここに住むことの良さをかみしめる。

 しかし、一方で必ずがっかりする光景を目の当たりにする。 ゴミの山である。左の写真を見ていただきたい。 美しい写真はどこの観光案内本にも載っているから、 私はあえて汚い場所を撮った。 心ない人が海に投げ捨てたさまざまなゴミが小さな海岸に流れ着き、きれいな公 園の一角には大量のゴミが山積みされている。 このゴミはおそらく定期的に回収されるのだろうが、 確実に美観を損ねている。 観光立県をうたっているとはとても思えない無神経な状態だ。

 沖縄の観光地はどこもゴミ箱の設置が少ないと感じる。 それは家庭ゴミを持ち込まれるのを避けるためだという。 そこまで個人個人のモラルが低下しているわけだ。

 人のゴミまで片付けろとは言わない。せめて自分の出した ゴミぐらい自分で管理しよう。一人ひとりが自分のゴミだけ 責任を持てばいいのだ。子供にだってできる。そうすれば、 いちいち「クリーンキャンペーン」などという面倒なことをしなくても、 観光地は常にきれいな状態を保てるのだ。

 さて。海中道路を渡って平安座島の石油基地横を通り、 山道をくねくねと走りながら伊計島へ向かう。 絵葉書にしたくなるような素敵な景色に途中で何度も出会う。 宮城島を抜け、伊計大橋にたどりついた。

 ここは、まったくの独断と偏見なのだが、 万座毛か伊計大橋かというぐらい私の中では 海の美しい場所ベストテンの上位に位置付けられている。 橋の真下に見える透明な深いグリーンと、 そこから広がるくっきりとした海の色は、おいしいものをたくさん 食べた後のような満足感と幸福感を与えてくれる。 この景色を“味わう”には、午後2時から3時の時間帯が一番 適している。海や山の色に映える真っ赤な橋も 印象的だ。

 橋の真ん中で皆次々とクルマを止め、降りてくる。 しばらく海を眺めたり写真を撮ったりするためだ。 交通量は少なめだが、一車線なので実は迷惑だし 危険である。道幅を広げようとしているような工事中の 場所があった。海中道路ぐらいとまではいかなくても、 せめてこの景観をもう少しゆっくり楽しめる スペースを設けてほしいと思う。

 伊計島へ入り、伊計ビーチに寄ってみようと 駐車場に入った。シーズンオフだから自由に入れるだろうと 思ったら「ビーチ見学200円、遊泳400円」とある。 有料ビーチというのは知っていたが夏場だけだと思っていた。 この期に及んでまだ金を取るか!

 有料ビーチが多すぎるのも沖縄の難点である。 きれいに保つための管理費なのだろうが、その割には 汚い所が多い。海外のビーチで料金を取られた経験はない。 それでもゴミの山を見せつけられるなんてことはなかった。 外国でできることを何故沖縄はできないのだろう。

 200円払ってまで寄るほどのことはないと、 そのまま先へ進んだ。

 最終目的地、伊計島北端にある「ビッグタイムリゾート伊計島」に 到着する。県民宿泊プランで一度利用したことのあるリゾートだ。 両親が沖縄に遊びに来た時、どこのホテルも予約で一杯だった中、唯一ここは押 さえることができた。「伊計島なんて聞いたことない」と両親は心配そうだった が、連れてくると「すごい! ここは 穴場だね!」と非常に喜んでいた。

 リゾートの駐車場に車を止め、 海沿いの遊歩道を歩く。ここの海は波がとても 荒い。波に削り取られゴツゴツとした岩場の続く景色は豪快だ。 サーファーや釣り人があちらこちらにいる。

 宿泊した時は、早起きしてこの遊歩道から朝日を眺めた。 水平線の真ん中からゆっくりと昇る太陽を見ることができる。

 遊歩道の先にはふたつのプライベートビーチがある。 こじんまりしていてキレイだ。ただし他のビーチに比べ やはり波が高い。

 リゾート内は芝生の空間が広々していて、コテージが 点在している。のんびりと海を眺めたり、ビーチで遊んだり、 ドライブがてらここまでやってくる人は多い。手前には サーキットコースやグラウンドがあり、サッカーやバイクレースを 楽しむ若者で賑わっていた。

 久々に休日らしい休日になったような気がする。 空が青い日は、やっぱり外へ出るのが一番だ! (沖縄王・伊藤珠央)





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