沖縄王が答える 第3回
「雨が降っても沖縄の人はかさをささない」?


 「沖縄では雨が降っても傘をささないと聞きました。 本当ですか」という質問が神奈川県に住む小学6年生から寄せられた。

 である。その証拠写真がこれじゃ。 小雨が降っておるのに、どうじゃ、傘をさしておらん人が 少なくないじゃろう−−というのは大ウソで、 実はこの写真は横浜・みなとみらい地区で5月に撮影した もんじゃ。わっはっはっはっは。

 「だまされた」と言うでないぞ。常識で考えてみれば すぐ分かることじゃ。傘をさすかささないかの 判断は人それぞれであり、沖縄でも本土でも「人それぞれ」なのじゃ。

 「沖縄では雨が降っても傘をささない」というような、 大雑把な決めつけ自体に無理があることを知っておくべきじゃな。 ところが世の中には、非科学的なことをいかにも知ったふうに 理屈をつける輩がいる。例えば、『沖縄のナ・ン・ダ』(双葉文庫)と やらでは、台風の時は傘を「ささない。さしてもムダ」と書いてある。 ひとくちに台風と言うが、雨風の強い時もあれば、 台風の目では晴れ間がのぞくことだってある。それをこんなふうに 大雑把に決めつけてしまうのは思考停止じゃな。

 この本にはこんなことも書いておるぞ。
<那覇市役所観光課には県外の小学生から「どうして沖縄の人は 雨の日でも傘をささないんですか?」という問い合わせが多いそうだ。 そんなとき「雨が降ったら傘をさすのは当たり前でしょ」と返事をするのだとか。 この職員は難儀をいとわないマメな人に違いない>
 う〜ん、この筆者は市の職員を笑っているが、 大雑把な決めつけをする書き手のほうこそが笑われるということに 気づくべきじゃとワシは思う。ここまで非化学的に 沖縄をパターン化するのはどうかのぅ。

 20数年前、ふきのとうが那覇市内のコンサート会場で 「国際通りを歩いていたら、雨が降っているのに傘を さしていない人が多いのに驚いた」と言っておった。 ナルホドと思う人はだまされやすい傾向があるのぉ。 国際通りには観光客が多い。つまり、傘をささずに歩いておった 人の中には、傘を持ってこなかった観光客がいた可能性も あるはずじゃと思わんか。

 ワシの場合、安い服を着ているときは 傘を持っていてもささぬことがある。でも、ちょっと 高価なブレザーなどを着ておる時は小雨でも傘をさす。 夏の暑い日の雨で、ポロシャツ程度のラフな服装で、 自宅への道中のような場合は、 傘がなくても問題はない。とまぁ、状況に応じて人は傘をさしたり ささなかったりするということじゃ。 大雑把な特徴づけには大きな穴があるというのが今回の結論じゃ。 お分かりかな?!






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